木工自慢4(壁に付けられる家具)
僕は無印良品の家具が好きだった。
当時、我が家のリビングの壁にも「壁に付けられる家具」を付ける予定だった。
カタログで確認し、店頭で現物を確認。
しかし、当然ながら既製品なので、ジャストサイズでなくて、僕のイメージとマッチしない。
さらに、致命的な欠点を見つけてしまった。
それは、無印良品の家具は突板を使用しているということ。
突板とは、木目の綺麗な板を0.5mmくらいにスライスして、合板に貼り付けたもの。
つまり、偽者の板なのである。
見た目は無垢材と同じように美しいのだが、コツンと何かをぶつけると、中身が出てきて偽物が顔を出す。
店頭の展示物も角っこの表面が剥がれて中身が見えていた。
木工を齧りかけていた頃なので、「作ってみせようホトトギス」とタモの無垢材を材木屋で注文。
ヤスリで角を落とし、ワトコオイルで仕上げた。
そして、初挑戦のダボ継ぎ、ダボ埋めの技法でネジを見せずに壁に設置する事に成功。
ダボ埋めは、ネジ頭を隠すために、丸棒を木工ボンドで埋める技法。
はみ出た丸棒を、アサリの無い小鋸で切るのだが、この時の刃の沿わせ方というか、反らせ方がナカナカ難しい。
アサリとは鋸の刃の幅のことである。
幅が無い鋸でないと面とぴったりのツルツルにならない。
どうせならと、フックもタモの無垢材から小鋸で切り出して製作。
こちらも接着するのではなく、3mmの穴を開けて、竹籤で継いでいる。
ダボ埋めで失敗した箇所もあるけれど、完成後は満足いく出来映え。
製作時間:延べ6時間 制作費:約3000円