ハタチノカラダ

サラリーマンになって10年が経った頃、ストレスと睡眠不足で身体は痩せ細り、毛根が死滅して頭髪は前線から撤退し、持病の腰痛は爆発し、右手は腱鞘炎で箸も持てない惨状・・・。自分の身体はどうなってしまうのか?過去の運動自慢は虚しく響くだけ。このままではアカンと危機感を持ち、今ここにいる自分を鍛えようとジョギングを始めたのが2013年夏。2016年は京都マラソンでサブ4を達成し、珠洲トライアスロン(Bタイプ)を完走しました!そんなアラ4のオッサンが20歳の身体を目指して、面白おかしく頑張るブログです。

木工自慢9(ハイスツール)

これまで製作した中で一番往生した木工のご紹介。
我が家にはキッチンカウンターなるものがそびえ立っているが、その高さはバーカウンターのような高さで、立って使うには使いやすく、座って使うには高さが中途半端で普通の椅子では両手が万歳状態になってしまう。
そこで、ジャストサイズの高さのスツールを製作することにした。

木工を初めて間もない無鉄砲な頃だったので、製作の大変さが分からず、兎に角デザイン重視。
角材を鉋(カンナ)で削って丸棒にしたり、脚が外側に7度開くデザインにしたり、斜めに組む木材をダボ継ぎしたり・・・。
難しい(実力以上の)木工をしていると、想定外の事態にしょっちゅう陥る。
これぞDIYの醍醐味なのだけれど、当事者としては途方にくれながらも打開策を見出して、工程の変更を検討する。
そんな甘酸っぱい記憶がたくさん蘇る作品である。

ハイスツール

この頃からパソコンで設計図を作成するようになった。
とは言っても、CADなんか使えないので、エクセルを方眼紙にしてセルの色と太罫線を駆使して、上下左右前バックの6方向から見たところをデザインする。
それまでは、広告の裏にフリーハンドでラフスケッチしていたのから、かなりの進歩である。

ハイスツール設計図


製作工程(脚編)
1 ダボ継ぎをするための穴をあける。
2 脚4本を鉋で丸く削る。
3 脚の先、脚を継ぐ横材の端を7度の角度で切り落とす。
4 鑢で徹底的にツルツルに仕上げる。
5 ダボ継ぎで組む。
6 ワトコオイルで仕上げる。
7 座板と合体用のL字金具を取り付ける。
8 脚の裏にフェルトを貼る。

製作工程(座板編)
9 脚と合体用のビス穴を座板に開け、ビスを座板に接着剤で固定する。
10 小鋸や鑢で座板を丸く切る。
11 ウレタンを挟んで皮を被せて、裏側をタッカーで留める。

12 脚部と座板部を合体させて完成!

ポイントは山ほどあるが、特に重要なのはダボ穴を1番に開けることである。
角を落として丸棒にしたり、先を7度切ってしまうと、水平や垂直が出せないので正確なダボ穴が開けられなくなるからである。

工程も多いし、脚部のガタツキを無くすのに苦労した。「7度」の角度が難儀だった。
さらに、当然ながら、椅子は「座り心地」が大事なので座板の皮やウレタンを探すのも大変だった。
初めて使う「鉋(カンナ)」だったけれど、素人向けに45度で削れる素晴らしい鉋(カンナ)が売られている。
その名も「KAKURI 替刃式細工鉋 角面取かんな」で通産大臣賞を受賞しているらしい。
本当にど素人にも綺麗に45度に削れるので流石である。

本当は、3脚くらい製作してキッチンカウンターに並べたかったけれど、二度と手を出したくない作品の一つである。

製作時間:延べ24時間くらい? 製作費:約10,000円