ロンドン焼フォーエバー
「カチャーン」「カチャーン」と響く軽い金属音。
新京極を四条から少し上がった所に、僕が物心がついたころから変わらない風景がある。
ガラス越しに見えるロンドン焼の機会は、いつの時代も子どもの心をグッと掴む。
子どもの頃、退屈な百貨店めぐりに付き合った後に連れて行ってもらう「喫茶店でオレンジジュースを飲む」のが楽しみだった。
そして、時々、このロンドン焼を買ってくれた。
白餡を洋風の皮で包んで焼かれていて、とても美味しい。
さらに焼きたては暖かくていい香りがする。
冷めた後も、オーブントースターで少し焼けば香ばしい皮が復活する。
先日、父にロンドン焼を買ってもらった。
父がお金を払っている間、僕と息子はガラスにへばりついてロンドン焼きが出来上がっていく工程に見とれていた。
生地を流すところ、餡を注入するところ、焼印を入れるところ、くるくる回りながら出来上がる様を見ていると、飽きることがない。
昔ながらの機械で、いつまでもこの場所で、この味を守って欲しい。