木工日記(鍋敷き その5)
一番楽しみな工程は、最後にやってくる。
組み立てて、屋号の刻印を終えた作品は、オイル塗装を待つばかり。
味気ない淡白な色合い。季節にたとえるなら「冬」だ。
ここに、ワトコオイルを塗る。
1回目は、たっぷり縫って30分間の放置プレイ。
2回目は、薄く塗って600番の耐水ペーパーで『オイルフィニッシュ』。
噴き出てくるオイルを拭き続けて完成だ。
ワトコオイルを塗装すると「春」が来た。
ウォールナットとブラックチェリーが「しっとり」と「鮮やか」に色づく。
無垢材にワトコオイルを塗る瞬間、『オイルフィニッシュ』をした後に手触りを確かめる瞬間が好きだ。
上下の写真を見比べても、製作した自分でさえも、同じものと思えない。
噴き出るオイルを時折拭きながら、酒を呑む。至福のひととき。