嵐山の鰻料理「廣川」で贅沢ランチ
渡月橋を渡り、嵐山のメインストリートを北に向かうと天竜寺の斜め向かいに「廣川」が現れる。廣川は鰻料理の名店で、訪れるのは2年ぶり2回目。前回に来た時に、鰻料理はもちろんのこと、建物、庭、借景、サービスの全てに惚れ込み、この界隈で特別なランチをするなら廣川と決めていた。
建物は、平成21年に建築された数寄屋造で、日本建築らしい趣向がこらされている。1階から見える庭、2階から見える嵐山の借景は最高のマッチングだ。
2階は個室もあって、予約のみ。予約料1000円がかかるけれど、待ち時間なしにこのロケーションと食事が手に入るなら、十分に予約料を払う値打ちがある。
鰻料理は全て国産鰻を使用していて、関東風の背開き。メニューは、うな丼、うな重、うな重定食のほか、う巻き、うざく、肝吸いなどのサイドメニューも完璧。ただし、お値段も力強い。うな重定食+生ビールで5000円弱。定食には、うざく、鯉のあらい、漬物が付いてくる。肝吸いはプラス100円で変更可能。
うな重の蓋を開けると、甘くて香ばしい香りが広がり生唾がとまらない。さらに口に入れるとホロホロと柔らかい身が美味すぎる。江戸時代から継ぎ足された秘伝のタレがかかったご飯も最高に美味い。鰻は「土用の丑の日」に食べて暑気払いするようにビタミンA・Eなどの栄養価が高いので、僕の凝り固まった筋肉に栄養が行きわたるように意識して食べる。きんにくん状態。
家で鰻を食べなくなった。大人になってから家で食べたことがないと思う。スーパーで売っている中国産の鰻ですら高くて買う気がしない。国産ともなれば尚更だ。その上に、固くて脂っこくてイマイチ美味しくない。「鰻のタレ」をかけたご飯の方が美味しいと感じるくらい。スーパーの鰻を美味しく食べる方法として、お湯を掛け回したり、レンジでチンしたり、脂を落とす方法は聞いたことがあるけれど、どうも触手が伸びない。そう考えると、年に1回くらい専門店で最高のロケーションで食べる鰻は値打ちのある贅沢だと思う。
お店のホームページによると、鰻は海で生まれて、海で育ち、1年ほどかけて川に戻るのだそう。そして、春夏は川で過ごし、秋冬は海に戻るらしい。鰻が海にいるなんて想像したこともなかった。鮭と正反対であることにびっくり。そうなると、「鰻の卵」を食べてみたくなる。さぞかし美味くて栄養価が高いだろう。希少過ぎてサラリーマンには手が出ないか・・・
京都らしい食べ物ではないけれど、京都の名勝地嵐山で食べるご馳走は一生の思い出に残ること間違いなし。