バブル以前の昭和の時代、寿司屋に弟子入りした男が主人公の物語です。年下で後輩弟子の「ゲソ」は稀代の策略家。バブル期に乗じてゲソは外食産業の帝王となり、主人公は「番頭」として会社を支えます。そのストーリー展開は、策略、人間模様を含めて傑作です。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが「寿司を握る」「キンタマを握る」「金を握る」それがタイトルの「握る男」になっています。
僕の面白い本のバロメーターは「夢中になりすぎて電車で降りる駅に気づかない」なのですが、通勤電車で度々そんなことがありました。
男に生まれてきたら、3年に一度は読みたい傑作です。